2021年11月3日水曜日

【焼鳥全般】土佐備長炭の窯見学 高知県安芸市にある土佐備長炭の窯元へ見学に行って来ました❗

焼鳥屋さんでは備長炭と言う炭が使われています。日本三大備長炭が、紀州、土佐、日向なのですが、最も質が良いとされる紀州備長炭を使っているお店が多いですね。値段もそれに比例して変わっていきます。

では紀州、土佐、日向で何がどう違うのか?と疑問を持っていましたが、今回は土佐備長炭の窯元に見学に行く機会が出来ましたので行って来ました。

高知県安芸市にある一(ICHI)と言う窯元です。高知市からは車で60分程。
近藤寿幸さんが土佐備長炭の製造販売を行っています。近藤さんは元教員なんだそう。地元に子供達が働く場所がないので、それなら作ろうと考えて障害者の雇用を目標に始めたそうです。

炭は黒炭と白炭があります。備長炭は白炭です。これは炭化が終わった後に白い灰をかけて鎮火するからです。

特に炭化の過程には職人技が必要で、窯の2ヶ所から入る空気量と5ヶ所から出る空気量の調整をしながら、煙の量や色、においを頼りに判断します。

こちらICHIの原木はカシだそうです。安芸市周辺にはカシしか生息していないが、室戸市や大月町にはウバメカシが生息しているそう。

だいたい炭作りのサイクルは20~30日。原木を窯に入れた次の日だけ休めるので、1人でやっていた頃は3週間に1日だけの休み。でも最近は人が増えたので交代して休めるそうです。

スタッフの徳弘さん、西岡さん、近藤さん
丁度、窯出しのタイミングで作業を見学させてもらいました。

窯全体
炭の掻き出しを始めます
窯の温度は1000℃近い。前に立つともの凄く熱いです❗
窯の上の部分。この炎の匂いや色を見て判断します。

炭を掻き出しています

炭を挟んで運びます
炭を積み上げます
積み上げた炭に灰をかけています

●紀州備長炭との違い
一般的には、紀州の方が密度が高くて火力の安定性や火持ちに優れていると言われてますが。

紀州はたてくべ、土佐はよこくべ。たてくべは原木を立てて置き、空気も上下に流れやすいが、よこくべは対流しにくい。また紀州の方が窯が小さくて乾燥させやすい。大きいと温度にムラが出来るので難しい。土佐の窯の方が扱いが難しいそうです。紀州の方が高いのはブランド価値の分で品質には差がない。昔から窯9割、技術1割と言われており、専門の窯職人がいるそうです。

●ICHIで販売される土佐備長炭
カシのびん丸 12kg14000円
カシの太丸
カシのびん小丸まる
ウバメガシのびん丸 12kg18000円
倉庫には段ボールが積まれています


●製造過程は以下の通り
原木の伐採
原木を1本1本伐採します

原木割り
直径12cm以上のものは半分や1/4にして乾燥しやすい大きさにします

窯くべ
バイ穴(天井にあけた約40cmの穴)から窯の中に投げ入れます。原木の自然乾燥を避けるため伐採から10日間のうちに窯に入れます。

乾燥
薪を燃やした熱を利用して約10日間かけてじっくりと乾燥させます。自然乾燥すると商品になった時にひび割れの原因にもなるため気を付けるそうです。

炭化
目穴とヌカ(煙突)から出る煙の色、量、においで炭化の進み具合を判断し空気の量を調整する。釘や細い木の枝で調整する程繊細な作業です。

窯出し
1000℃~1200℃の窯の中から炭を掻き出します。灰をかけて空気を遮断して消化します。

炭おこし
2日後に灰の中から炭を取り出します。この時に炭に灰が白く付くので白炭と呼ばれます。


参考
一(ICHI)ホームページ


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